ホルモンの種類には蛋白質のもととなるアミノ酸が数個から100個以上つながった形のペプチドホルモン(成長ホルモン、インスリンなど)、
コレステロールを材料につくられるステロイドホルモン(副腎皮質ホルモン、エストロゲン、テストステロンなど)とアミノ酸のチロシンの
誘導体であるアミン(甲状腺ホルモン、アドレナリン、ノルアドレナリン)があります。
体の状態を一定に保つ(ホメオスターシスの維持)ために神経系、内分泌系、免疫系がお互いに密接な関係を保ちながら働いていています。
内分泌系の情報伝達物質(メッセンジャー)がホルモン(hormone)です。
ホルモンは全身のいたるところでつくられています。以前は内分泌臓器でホルモンがつくられ、血液中を流れて遠く離れた標的となる
細胞(標的臓器)に到達して、そこで働くと考えられていました。最近では、つくられた場所のすぐ隣にある細胞(傍分泌)、
またはつくられた細胞そのもの(自己分泌)に働くこともわかり、局所でも作用します。
今では、体の中でいろいろな情報を伝え合うものの物質をまとめて、ホルモンと呼んでいます。ホルモンは非常に少ない量
(50mプールいっぱいの水にスプーン1杯程度)で効果があります。
体の状態を一定に保つ(恒常性維持)ためにホルモン分泌は巧妙にコントロールされています。ホルモンが分泌されて効果を発揮すると
、この変化はホルモン分泌を抑制する方向に作用します。これがネガティブフィードバック機構といいます。
甲状腺ホルモン(T4、T3)を例にあげると(上図)甲状腺ホルモンが多くなるとネガティブフイードバック機構により
、TRH、TSHの分泌が抑制され甲状腺ホルモンの分泌を減少させ一定に保つように働いています。
ホルモンはいつも一定の濃度に保たれるものばかりでなく、リズムをもって分泌されるものもあります。
たとえば、コルチゾールのように一日のうち朝高く夜低いという変動(日内変動)するものや、成長ホルモンのように睡眠時に
増加するものがあります。